「投球障害」は、ボールなどを投げる動作によって生じる障害で、主に肩・肘などに痛みが出ます。軽い炎症から靭帯断裂や骨折など重いものまであります。ある程度進行してしまってから痛みが出ることが多く見られます。

原因は、主に投球動作による負担です。投球動作1回ごとに肩・肘に負担がかかります。球数が多くなると負担が積み重なり、肩・肘の組織に障害を生じてきます。投球動作1回の負担が大きいと、球数が少なくても障害を起こしやすくなります。投球動作で以下のポイントを押さえれば、投球動作1回の負担が小さくなり障害を起こしにくくなり、コントロールが良くなり球も速くなります。

投球動作で最も重要なのは、ボールを放す瞬間です。この時、作用反作用の原理で球に与えたエネルギーが投げた本人に跳ね返ってきます。その負担を体でうまく吸収できない場合に、障害となってしまいます。また、年齢によって体の組織の強度が異なってくるために、障害の場所も違ってきます。成長期には骨端線(こったんせん:骨の成長する部分)に、大人では人体など軟部組織に障害が出ます。

投球動作のポイントは

① 頭の後ろにボールを持って来るように肘を折りたたむ

② 宣誓知る時の手の位置(体よりやや前方)でボールを放す

③ ボールを放した後に肘を伸ばしたまま東急側と反対側の肘外側に手を大きく振り下ろす

です。

障害を予防するには①で肘下がりを防ぐことで肩をひねる投げ方が少なくなります。肘を折りたたんだ状態から肘を伸ばして②に持っていくと腕の速度は上がります。②により上腕骨と肩甲骨の軸が一致した時(ゼロポジション)にボールを放すと、肩の負担が減り、ボールにエネルギーを効率的に与えることができ、コントロールも良くなります。③で前方へ大きくフォロースローにすると、遠心力によりボールに強い回転がかかりスピードが上がります。また、ボールを放した後の腕の振りを急に止めないことで、肘後方の障害を減らすことが出来ます。(整形外科)